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博多芸妓衆の1年のしめくくり「博多をどり」(撮影年不明)
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12月は博多座で芸妓さんの芸が見られます
芸妓さんが所属して、座敷の取り次ぎを行なったりする事務所のことを券番(けんばん)といいます。博多に最初の券番ができたのは明治22年(1889)、大正時代までに5つの券番ができました。最盛期は2,000名を超える芸妓さんがいたそうです。博多芸妓の1年は、1月の十日恵比須「かち詣り」で始まり、5月の「博多どんたく港まつり」に参加。終わるとすぐに稽古に入るというのが12月に博多座で行われる「博多をどり」、芸妓衆が総出演し、邦楽、邦舞の芸を披露して1年を締めくくります。
日本でただひとつ、公設民営の演劇専用劇場・博多座
もうすっかり福岡市民に愛されている博多座。今や九州中から、演目によっては全国からお客さまがいらしています。博多座は福岡市博多区下川端町にある演劇専用劇場、歌舞伎からミュージカルまで月替わりでさまざまな演目が上演される、公設民営の劇場なのです。芸どころだった博多の復活を目指し、福岡市や大手の興行会社などが出資し、運営を民間が行っています。座席数は1,490席(公演により増減あり)、あらゆる演劇公演に対応可能な設計がなされているため、回り舞台、花道、奈落、オーケストラピットなどが設置されています。オープンは平成11年(1999)6月3日、「博多座大歌舞伎」で幕開けしました。それ以来毎年6月は歌舞伎の1か月公演です。6月の歌舞伎とともに、今や博多の初夏の風物詩となっているのが「船乗り込み」。船乗り込みとは、歌舞伎興行の際に役者たちがご当地到着を船に乗ってお披露目するという伝統行事で、これも現在では大阪とここ博多でしか見ることができないものなのです。博多座の隣を流れる博多川で役者たちを間近に見ることができます。